Vol.79 Streets of VASIC

パリッとした空気に包まれ、秋晴れが続くニューヨークでは、厳しい暑さに耐える日本の皆様に申し訳ないほど、美しい気候に恵まれています。そんな秋の心地よさにうっとりする一方で、サンダルの形にくっきりと日焼けした足や、さらっとしたサマードレスに、過ぎ去った夏の爪痕を見つけては寂しさを覚え、これからあっという間に長い冬が来てしまう! という焦燥感も。季節の変わり目って、なぜか感傷的になるものですよね? 

さて、今回のVC NOTEではそんな感傷をも吹き飛ばす、ニューヨークの個性派雑貨店をご紹介します。

Big Night

ここは、ディナーパーティをテーマにプレイフルな食卓を演出するショップ。ホストとしてパーティを成功させるための品はもちろん、ゲストとしてパーティに持っていくギフトや、日常のディナーを楽しむためのアイデアを提案しています。もとはブルックリンのグリーンポイントで誕生したお店ですが、昨年にマンハッタンに進出。ウェストビレッジがフラッグシップのアドレスとなりました。

ビビッドなカラーとポップなデザインが散りばめられた店内は、足を踏み入れた一瞬にお店のメッセージを肌で感じられるよう。目を楽しませてくれる楽しいデザイン、暮らしに彩りを加える個性的なアイテム、会話が生まれるニッチなツール……遊び心がこれでもかと盛り込まれた世界観は圧巻。こんな突き抜けた店があるのも、ニューヨークらしいですよね。

ブルックリンの人気ガラスアーティストSophie Lou Jacobsenのグラスウェアに、テーブルウェアブランドMisetteのリネン、テーブルのセンターピースとしても輝きそうな野菜のキャンドルなど、オーナーが一つ一つ厳選したアイテムが光ります。

フードでは、エキゾチックなフレーバーのポップコーンやチップス、ジャムなど試してみたいものがたくさん。なかでも、”Tinned Fish”と呼ばれるシーフードの缶詰が売れ筋商品。いわゆる鯖缶やイワシ缶に等しいこの缶詰が、実はニューヨークで流行中のホットアイテムなのです。イワシやムール貝、タコのオイル漬けを、缶ごとサーブするのが定番。ディナー前のアペリティフのお伴に、というヨーロッパの文化が波及しているようです。なお、こちらのお店では、ノンアルコールドリンクが充実。スパークリングティーやノンアルのネグローニなど、お酒じゃなくても絵になるシーンを演出します。

平日の昼間でも、次から次へとお客さんが来店しているのが印象的。ウェストビレッジという土地柄、観光客も多く、界隈でも目立つ存在のこちらのお店に引き寄せられているようです。ホームパーティを目的としなくとも、雑貨好きの方には可愛いライフスタイルグッズを探すデスティネーションとしてオススメ。ニューヨークらしいお土産やギフトのアイデアも見つかりますよ。