Takahiro Ogawa, Photographer

白を背景にした無機質なムードのなか、モデルがバッグを象徴的に見せるVASICのビジュアル写真。店頭やウェブサイト、SNS上で、毎シーズン登場するそれらは、モデルもバッグもスタイリングも、どれ一つとして同じものはないのに、そこには必ず"VASICらしさ"が内在しています。それは、ある人にとってはシンプルで、また別の人にとっては洗練を意味するかもしれません。

そんな皆様に認知されるイメージを確立してくれたのが、フォトグラファーの小川貴弘さん。儚さや強さ、光と影など相反する美しさを見出しながら、アーティスティックなファッションやビューティの作品で活躍する人物で、VASICのビジュアルを10年前から撮り続けています。

ブランドが成長するにつれバッグも増え、撮影は毎回かなりのルック数を要するのですが、気負いなくフレキシブルに撮影を進めていく小川さんの温厚なキャラクターもチームワークが長く続いてきた理由なのかもしれません。

ブルックリンに構えた小川さんのスタジオで、話を伺いました。

一番最初に行った撮影についてエピソードがあれば聞かせてください。

ディレクターKanokoさんの自宅で行った撮影ですね。撮り方も全然違って、モデルをトップレスで撮影しました。後ろ向きで、モデルの顔を出さない。今振り返ると、攻めてましたね(笑)。バッグが紙素材だったことが最も印象深いですね。まだVASICのバッグが2個だけしかなかったのですが、しわのあるテクスチャーが珍しくて、すごくかっこよかったんですよ。

そんな記念すべき最初の撮影で撮ったイメージは、後日、特大サイズにプリントしてKanokoさんのお誕生日にプレゼントしたのもいい思い出です。

VASICの撮影についてキーワードを3つ挙げるなら何が思い浮かびますか?

Consistency
女性像もライティングも、統一感を意識しています。

Playful
VASICでは笑顔の写真は撮らないようにしているのですが、バッグのコーディネートをSNSにアップして楽しむお客様が多いので、プレイフルであることは常にイメージしています。

Clean
影が落ちてバッグのディテールが見えなくなるのは避けたいので、常にクリーンな写真を意識しています。

小川さんが思い描くVASIC WOMANとはどんな女性でしょうか?

どうしてもKanokoさんを重ねることが多いんですよね。彼女のようにパワフルで、止まらない探究心・向上心をもつ女性。

今後、VASICでやりたい撮影はありますか?

ロケをやりたいです。都会の女性をイメージして、ニューヨークの街中で。すべてがコントロールできるスタジオとは違って、あえて予測できない写真ができるのではと期待しています。

アニバーサリーについてコメント

Kanokoさん本人はいつも謙虚で、「すごくない」って繰り返すのですが、客観的にブランドの成長は素晴らしいです。初回の撮影を昨日のことのように鮮明に覚えているので、時の流れの早さに驚いています。これからも突き進んで、前進していってください!